海産細菌Flavobacterium sp.より単離されたDNAポリメラーゼα阻害活性を有するFlavocristamideA、Bと、同族の細菌より単離されたSulfobacinA、Bの合成研究を行った。(FlavocristamideBとSulfobacin Aは同一化合物である) 1) 天然型システインから調製されるアルデヒドを出発原料として、ジアステレオ選択的アルキニル化等を経て、天然物と同じ立体構造を有するキラルなジオキソチアゾリジン化合物を合成した。これをアミノスルフイン酸エステルへと変換し、そのアミン部分を別途調製した酸クロリドを用いてアミド化し、最終的にはSulfobacinBへと導いた。 2) ほぼ同様な方法でFlavocristamideBも合成した。 3) 上記アルデヒドに対してジアステレオ選択的アルケニル化を検討し、望む立体化学を有する生成物を得ることに成功した。以下はほぼ同様の手法で、Flavocristamide Aの合成を完了した。 4) なお、FlavocristarmideA、Bのアミド部分に対応する光学活性なヒドロキシカルボン酸は、酵素を用いた光学分割を利用し調製した。
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