研究課題/領域番号 |
10126214
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
柿本 雅明 東京工業大学, 工学部, 教授 (90152595)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 高分枝ポリアミド / 直接重縮合 / 加熱溶融重縮合 / AB_2型モノマー / AB_4型モノマー / 分岐度 |
研究概要 |
一分子中にカルボキシル基を1個、アミノ基を2個有するAB_2型モノマーを合成し、リン酸系縮合剤を用いた直接重縮合により高分枝芳香族ポリアミドを合成した。生成重合体は白色粉末として得られ、非プロトン性極性溶媒、メトキシエタノール等に可溶であった。IR、^1HNMR、^<13>CNMRから構造を確認した。モデル化合物を用いたピークの帰属を行い^<13>CNMRから算出した分岐度は0.48であった。生成重合体は一般的な高分枝高分子と同様に非晶質であり、DSCによるガラス転移点は200℃であった。末端に多数存在するアミノ基を3,5-ジニトロ安息香酸クロリドで化学修飾したサンプルはガラス温度が約40℃上昇した。 AB_2型モノマー、AB型モノマーの無触媒での加熱溶融重縮合を行った。AB_2型モノマーの重合からはガラス状固体が得られ、これをDMFに溶解して再沈殿精製することにより白色粉末状の重合体を得た。スペクトル測定による重合体構造、溶解性、熱特性などは溶液重合で得られたものと同一であった。一方、AB型モノマーの熱重合では、生成物の収率、粘度ともに低く、オリゴマーの生成にとどまった。本重合は溶媒、触媒等を必要としないため、反応条件(加熱時間、真空度など)により重合度の制御(特に低から中分子量体)が容易に可能である。重合体の分子量に対する粘度は直鎖高分子と比べて低く、実線の傾きから求めたMark-Houwink式の粘度指数は0.35であった。これは一般の線状高分子より小さな値であり、溶液中で三次元的広がりをもったコンパクトな状態をとっていることが推定される。AB型分子を合成し、重合することにより分岐度の高い(直鎖部が少ない)重合体の合成を試みた。AB型モノマーから合成した高分枝芳香族ポリアミドは末端基部(未反応アミノ基を2個もつユニット)が多く存在することが^1HNMRスペクトルより明らかとなった。
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