研究課題/領域番号 |
10126218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
関 隆広 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40163084)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 単分子膜 / 誘起形態変化 / 原子間力顕微鏡観測 / マイカ / 湿度制御 / ゲル / フォトクロミズム |
研究概要 |
当研究室では、アゾベンゼンを測鎖に持つポリビニルアルコール誘導体の水面単分子膜における大きなフォトメカニカル(光誘起伸縮)効果を見いだし、この現象の正確な理解を得るための様々な角度からの検討を進めている。 昨年度において、この単分子膜をマイカ表面に調製した際、高湿度化で大きな光誘起形態変化を示すことを原子間力顕微鏡観測にて確認したので、本年度はその精密な評価へと研究を展開させた。具体的には、膜の光応答における湿度依存性、応答可逆性、2次元膜密度依存性に着目し検討を進めた。湿度条件として、約50%以上の相対湿度にて、光誘起形態変化が観測されることを突き止めた。また、2次元膜の密度に関しては、密度の小さな膜では2次元的な伸縮挙動のみを、高密度な膜では、さらに3次元的な突起生成にまで効果が及ぶことを明らかにした。さらに、アゾベンゼンの光反応の進行と膜形態の変化との相関を得ることに成功し、2次元及び3次元的な形態変化の動的特性を明らかにした。 さらに、新たな試みとして、高分子鎖1本のレベルにまで膜を孤立化させた際の光応答挙動に興味を持ち、孤立化手法の探索と実際の光応答性について検討を進めた。孤立化手法として、エステル系の長鎖誘導体との混合膜をあらかじめ調製しておき、その後その膜を抜き去るいわゆるスケルトン化手法が有効であることを突き止めた。 材料化に関連して、ゲル表面にアゾベンゼン単分子膜を導入し、含水ゲル材料の変形を誘起できるかどうかの可能性について検証する実験も進めた。現在のところ、ゲルの変形を誘起させうる結果は得られていない。
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