| 研究概要 |
本研究では,新規大環状錯体の自己組織化単分子層(self-assembled monolayer,SAM)を用いる電極界面のナノ組織化及びラジカル修飾電極の構築を実現し,その電子移動と触媒機能を解明した。本年度は次の成果を得た。
1. 新規環状金属錯体とて14員環のペンタアザ環状ニッケル及び銅二量体のテンプレート合成法を確立した。さらに,Au-S結合を利用して金電極表面上にこの環状錯体が自己組織化した単分子層(SAM)修飾電極を構築した。これらSAM電極のレドックス挙動,H_2O_2酸化触媒能,溶存レドックス種に対する選択的電極反応制御能をin situ分光電気化学法で解明した。電極触媒能の新しい概念を提案した。
2. ニトロキシルラジカル高分子修飾電極を構築し,アルコールの酸化に対する特異な電極触媒能を見い出し,その反応機構を回転円盤電極による対流ボルタンメトリー及び分光電気化学測定を用いて定量的に解析することに成功した。
|
