研究課題/領域番号 |
10126236
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上山 憲一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80093376)
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研究分担者 |
岡村 高明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90252569)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | バイオミネラル / NH・・・O水素結合 / 炭素カルシウム / 高分子配位子 / ポリアクリル酸 / 結晶成長 |
研究概要 |
天然に見られる無機化合物を主成分とする構造体(バイオミネラル)や組織は、極微量含まれる有機物によって結晶成長を制御され、その結果多様な形状及び機能を有するものとなっている。当研究室のこれまでの研究より、有機物が無機化合物に強く配位する要因として配位原子への水素結合が重要であることが分かったので、このバイオミネラルに応用した。NH・・・X(X=O,S)水素結合の形成により、金属ー配位原子の結合の解離を抑制できることを明らかにしてきた。本研究はその考えを高分子配位子に拡張し、天然に見られるようなペプチドマトリクスとして、NH・・・O水素結合を形成するポリ(カルボキシレート)配位子を合成した。さらにこの高分子配位子の存在下、炭酸カルシウムを結晶化し、結晶中への高分子配位子の取り込みの確認を行った。 ポリアクリル酸を原料とした{CH(C00H}-CH_2-CH(CONHR)-CH_2}_n(R=n-Bu,t-Bu;n=ca.3,000)は、通常のポリアクリル酸ではアニオンになり得ない、pH4においてもアニオンとして存在し、炭酸カルシウムに強く配位することを^<13>CCP/MAS測定により明らかにした。またミセル化剤とpH変化の協調効果により、海綿体に似た、気孔をもつ炭酸カルシウム構造体を得られることをSEM撮影により見いだした。 今後、原料ポリマーのタクテイシティおよび主鎖骨格によるNH・・・O水素結合の距離と効果についてモノマーレベルでも検討し、さらに効率のよい水素結合をもつ新規ポリマーを合成する。また、生体で結晶成長を制御する天然高分子についても、各種測定により構造と機能を調べる。
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