研究課題/領域番号 |
10126238
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柳田 祥三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029126)
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研究分担者 |
北村 隆之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294037)
村越 敬 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (40241301)
和田 雄二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40182985)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 半導体超微結晶 / 酸化チタン薄膜 / 太陽電池 / 小分子ゲル化剤 / ホール輸送剤 / 光増感作用 / 固体電解質 / 光電変換 |
研究概要 |
1.緒言 色素増感型太陽電池はホール輸送層が液相であることから,液漏れ,揮発等による耐久性の低さが問題とされてきた。我々は、一般的なヨウ素-有機溶媒のホール輸送層を、小分子ゲル化剤を用いて電荷移動を阻害することなく固体化することにより、液体ホール輸送層を用いた太陽電池と同等の光電流を発生する固体太陽電池の製作に成功した。また,固体電解質のカウンターカチオンの効果と細孔内での導電機構の詳細について検討を行った。ゲル化剤を用いて,ホール移動層を固体化したセルを作製した。ゲル化剤を用いたセルは、溶液型とほぼ同等の変換効率を示す。これは、加熱時において低粘度となる小分子ゲル化剤を用いることで、多孔質酸化チタン電極の細孔内に均一なホール移動層が構築されうるためである。こうして作成したセルの安定性は向上し、一週間の耐久試験を行ったところ,顕著な違いが明らかになった。 2. 色素増感太陽電池の変換効率は、色素を担持する多孔質酸化チタン電極の特性に大きく依存する。典型的な色素増感太陽電池の多孔質電極は、粒径20nm程度の酸化チタン粒子を厚さ10mm程度に積層焼結した構造を有するが、効率向上には単分子層吸着した増感色素からの光励起電子注入効率をほぼ100%とし、さらに注入電荷のそのポテンシャルエネルギーを失うことなく外部回路に伝達する必要がある。しかし機能発現に必要な粒子の結晶性、粒子間接合などに関する要件は明らかではない。本研究では、非常に高い結晶性を有する粒径15nm程度のアナターゼ型HyCOM酸化チタン微結晶を用いて種々の条件下にて電極を作製し、その構造特性ならびに光電変換諸特性を検討した。その結果、整った細孔空間を有する色素増感型太陽電池の多孔質電極を調製することに成功した。また膜厚に比例した電気化学特性が得られ、その優れた電子伝達挙動はその結晶性のみならず、粒子間接合性に大きく依存すると考えられる。
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