研究課題/領域番号 |
10126252
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
川口 春馬 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30051808)
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研究分担者 |
藤本 啓二 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70229045)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | マイクロスフェア / コアシェル粒子 / アフィニティラテックス / ミクロゲル / 温度応答性高分子 / DNA診断 / ハイブリダイゼーション / グラフト鎖 |
研究概要 |
高分子微粒子の表面に高分子鎖(ヘア)をつけユニークな機能材料を創り出す研究で、ヘアとしてDNAとポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)を取り上げた。前者には生体特異性に由来する機能を、後者には温度応答性に由来する機能を期待した。既存粒子にヘアをつける方法は、a.既に存在する高分子鎖の片末端を表面に固定する方法、b,微粒子表面に活性点を作りそこから重合を開始する方法とがあり、DNAについてはaを、PNIPAMについてはbを採用した。 点変異DNA検出のためのDNAヘア粒子 タンパク質などの非特異吸着を受けにくいスチレン-グリシジルメタクリレート共重合体粒子に、特定の塩基配列をもつ DNAを結合させた。得られたDNA固定アフィニティラテックスは、点変異DNA検出能を有したものの、誤ってハイブリダイズするミスマッチ鎖を完全には排除できなかった。そこで一本鎖切断機能を有するS1 Nucleaseを用いて完全相補鎖とミスマッチ鎖を識別することを試み、識別のための最適条件(点変異の位置、ハイブリッド化温度など)を絞り込んだ。 感温性ヘアをもつ微粒子 シェルがPNIPAMゲルからなるコアシェル粒子は、そのLCST付近で必ずしもシャープな応答を示すものではない。分子鎖の不均一網目構造やクラスタリングのためと考えられる。架橋構造の排除、分子鎖間反発力の付与がシャープな転移発現に有効であると考え、シェルを非架橋のヘア構造に変換し、さらにPNIPAMヘア鎖にアクリル酸(AAc)を含ませることを試みた。その結果、セリウムイオンを用いるNIPAMとAAcのグラフト共重合によりPNIPAM鎖に僅かのイオン基を導入することがヘアの転移を極めて鋭くすることが明らかになった。
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