研究課題/領域番号 |
10127201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 久遠 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30021934)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 半導体量子ドット / 縮退4光波混合 / 2光子共鳴 / レーザー分光 / 量子閉じ込め効果 / 共鳴光第二高調波発生 / 電子-格子相互作用 / フォトンエコー |
研究概要 |
昨年度に引き続き、2光子共鳴SHG法と種々のフォトンエコー法を用いて、半導体ドットにおける量子閉じ込め励起子の位相緩和時間T_2、並びにその緩和機構の解明研究を集中的に行った。なお、T_2は電子状態のコヒーレントな継続時間を示す重要な特性時間であるが、現在、3桁も大きさが異なるなど全く矛盾した結果が世界の多くのグループで報告され、その機構に関しても全く異なった解釈がなされている。熱分解法で作製した、ガラス中に希薄に埋め込んだCuClの球状ドット試料を代表例に用いて、以下の成果を得た。 1)我々が初めて見い出した、非常に大きな蓄積効果を利用したヘテロダイン検出フォトンエコー法が感度が良い実験手段を与えることを示した。この方法を駆使して、Z_3励起子のT_2が低温で異常に長いこと、エネルギー緩和時間T_1できまっているなどの重要事実を再確認した。また、上記信号のフーリエ変換スペクトルの解析から、フォトンエコー信号の立ち上がりの異常がフォノンサイドバンドの存在によることを明らかにした。 2)サイズ励起選択法を用いて、平均半径が7.0〜1.8nmの範囲で、2KでのT_2の値が予想に反して顕著なサイズ依存性を示さないこと、並びに10K〜40Kの範囲でT_2の温度変化がサイズ減少と共に急峻になる結果を得た。 3)上記の事実は、音響フォノンのエネルギーも離散化されるとすると説明できない。つまり、音響フォノンが完全には量子化されておらず、エネルギーが連続な状態密度をもつ成分も存在することを示している。これを基に、T_2のサイズ依存性、並びに温度依存性も含めて、量子ドットの位相緩和機構を解明した。大きな成果である。
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