研究課題/領域番号 |
10127210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深津 晋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60199164)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シリコンベース量子ドット / 単電子デバイス / 高配向性 / 酸化物マトリクス / 拡張量子構造 / 分子線エピタキシ・イオン注入法 / 結合ドット / シリコン量子細線 |
研究概要 |
量子ドットを基軸とする単電子デバイス実用化にはシステムとしての構造制御と集積化が必要となる。本研究では従来の半導体エピ主体のドットに代わる酸化物(SiO_2)マトリクス中の高配向性シリコン(Si)ベース量子ドットを提案した。分子線エピタキシ・イオン注入法(以下、SIMOX-MBE)を拡張し、交互供給、同時供給モードを駆使することで拡張量子構造の形成とデバイス機能化を目指した。 SIMOX-MBEでは量子ドットを特長づける(1)配向(2)形状(3)サイズ(4)配置(5)配列などの拘束条件が緩和され、一様な基板配向、熱安定なファセット形状、Si層厚のみで規定されるサイズ分布、高い基板方位方向の制御性が確保できる。横方向のドット配置にプリパタン基板が有効であること、密度向上には交互法に比べて同時供給法が優位であることが分かった。また、(110)基板を使用することでドット充填率の向上と結合ドットの可能性を示唆する結果を得た。さらに、拡張性と制御性向上を狙ってSi量子細線、混晶基板分離構造(SiGe-OI)などの応用量子構造の作製を試みた。V-溝加工したSi(001)基板上へのSIMOX-MBEにより、リソグラフィに依存しない埋め込みSi量子細線、リッジ細線の形成が可能になった。細線形成過程からドット形成カイネティクスでは(1)過剰酸素と内部酸化、(2)飛程と損傷ピークによる酸化層核形成、(3)非安定ファセット消失が重要であることが明らかになった。一方、SOI分野で初めてSiGe-OI形成に成功し、Siの選択酸化のために構造パラメータがにくらべてスケールダウンできることがわかり、SiO_2層の薄膜化とドット微細化が可能なことが判明した。さらにSiGe混晶ドット形成もSiドットと同様な過程を辿り基板配向するが、形状は高指数安定ファセット多面体となることがわかった。
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