研究課題/領域番号 |
10127213
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
吉川 信行 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (70202398)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | クーロンブロッケイド / 単電子トンネリング / 単電子トランジスタ / SET効果 / ナノドット / 量子ドット / 論理回路 |
研究概要 |
1次元微小トンネル接合アレイ中の単一電子の伝搬を情報の1ビットに対応させた単電子伝送型論理回路は、これまで提案されてきた電位の有無をビットに対応させる論理回路とは異なる新しい論理回路方式である。単電子伝送型論理回路は、伝送線路を伝搬する電子自体がビット情報を持つ粒子として論理回路を伝搬するため、これまで検討されている単電子論理回路とは動作原理の面で一線を異にしている。 これまでに我々は、数値シュミレーションを用いた研究により、単電子伝送型論理回路からなる論理ゲートファミリーの正常動作を検証した。更に、電荷伝送型論理回路の正常動作のための回路パラメータマージンが、他の単電子論理ゲートに比べて大きく、この論理回路がrobust性の面で優れていることを示した。 本年度は、電荷伝送型論理回路の誤り確率の評価をモンテカルロ法を用いた数値シュミレーションにより行い、以下の知見を得た。 (i) モンテカルロ法による単電子伝送線路の誤り確率の計算結果は、熱的活性化トンネル過程にもとづく理論的解析結果と良く一致する。 (ii) 分岐回路の誤り確率は低温において飽和する傾向にあり、誤り確率の飽和値は回路の時定数に依存する。誤り確率を小さくするためには、回路の時定数を大きくする必要がある。 今後の課題として、 (i) 論理ゲートファミリーを構成する他の基本回路の誤り確率の評価。 (ii) 回路の誤り確率を減少させるための抵抗を用いない回路方式の検討。 を行う必要がある。
|