研究概要 |
原核生物の酸素センサーFixLでは、ヘム鉄が酸素の着脱に関与していることが想定されたので、理化学研究所・生体物理化学研究室との共同研究により、ヘムを固定しているアミノ酸残基を決定した(Nakamura et al.,1998)。さらに、ヘム鉄を含んだ酸素センサーFixLを結晶化し(Miyatake et al.,投稿中)、立体構造を解明することに成功した(Miyatake et al.,投稿準備中)。 Differential ScreeningやmRNA Differential Display等の技術を用いて、低酸素状態や金属暴露よって発現が誘導される遺伝子群(酸素・金属応答遺伝子スーパーファミリー)の存在を明らかにした。そして、全遺伝子の約1%が、このスーパーファミリーに属するものと考えられ、おそらく数百種類の遺伝子があるものと推定している。さらに、それらの中から新規の遺伝子を見い出した(Okada et al.,投稿中)。 エリスロポエチン遺伝子のプロモーター領域が低酸素状態において活性化される現象は、細胞系列に特異的であることを解明した(Kambe et al.,199B)。さらに、エリスロポエチンの遺伝子発現は、2種類の転写因子(HNF-4とHIF-1)の相互作用によって制御されていることを解明した(Zhang et al.,投稿準備中)。
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