研究課題/領域番号 |
10129222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
虎谷 哲夫 岡山大学, 工学部, 教授 (70026318)
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研究分担者 |
山西 守 岡山大学, 工学部, 助手 (30240063)
飛松 孝正 岡山大学, 工学部, 助教授 (30188768)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | B_<12>補酵素 / ジオールデヒドラターゼ / 電子常磁性共鳴 / シアノコバラミン / 結晶構造解析 / 再活性化因子 |
研究概要 |
(1) B_<12>補酵素のジオールデヒドラターゼへの結合様式を明らかにするために、電子常磁性共鳴(EPR)を用いた実験を行った。酵素タンパク側を^<15>N標識してもEPRスペクトルの変化は見られなかったが、補酵素アナログの下方配位子を^<15>N標識すると超超微細分裂線が3本から2本に変化した。したがって、本酵素では、補酵素を"base-On"型で結合することが明らかになった。さらに、これらのアナログを用いた場合のEPRスペクトルの経時変化と反応性を比較することで、下方配位子のかさ高な塩基がラジカル中間体の安定化に寄与しており、ラジカル酵素反応の継続的な進行に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 (2) ジオールデヒドラターゼとシアノコバラミンの複合体を結晶化し、結晶構造解析に適した2種類の結晶を得た。1つは斜方晶系、いま1つは単斜晶系に属し、それぞ2.2Å、3.0Å分解能の範囲までの回折像を与えた。重原子同型置換体を作成し、多重同型置換法により結晶構造解析を進めている。 (3) 我々は以前に、Klebsiella oxytocaには不活性化されたB_<12>補酵素関与ジオールデヒドラーゼを再活性化する系が存在することを報告し、最近、2つの遺伝子を再活性化因子遺伝子として同定した。本年度は、その遺伝子産物を精製し、再活性化因子としての機能を確認した。大腸菌で高発現させた2つの蛋白質は共精製され、非変性条件下では複合体として存在した。この推定再活性化因子は、グリセロールやO_2で不活性化されたホロ酵素を再活性化することがin vitroで初めて示された。機構としては、不活性化の過程でアデニン部分を失った修飾補酵素が、再活性化因子とATP、Mg^<2+>存在下で酵素から解離し、生じたアポ酵素に遊離の補酵素すなわちアデニン部をもつコバラミンが結合することにより、活性なホロ酵素が再構成されることが明らかとなった。
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