研究課題/領域番号 |
10129229
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
野口 正人 久留米大学, 医学部, 教授 (10124611)
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研究分担者 |
高橋 研一 久留米大学, 医学部, 助手 (80250736)
小俣 義明 久留米大学, 医学部, 講師 (20268840)
緒方 英博 久留米大学, 医学部, 講師 (50108635)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / ヘム分解機構 / ベルドヘム / α-ヒドロキシヘム |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)はヘム分解経路において中心的役割を果たす膜結合型ミクロソーム蛋白質である。NADPHチトクロームP-450還元酵素存在下、HOに結合したヘムはα-メソ位の水酸化を受けα-ヒドロキシヘムとなり、次にCOの遊離を伴ってベルドヘムが形成され、最後に環開裂が起こりビリベルジンまで分解されるが、反応中間過程で必要とされる電子当量および中間体の磁気的性質については議論がある。今回、ラットHO-1からC末端22残基の膜結合部位を除いた可溶性HOを用いてヘム-およびα-ヒドロキシヘム-HO複合体を調製し、様々な条件のもと電子・酸素滴定を行い、その吸収スペクトルとESRスペクトル変化をもとにベルドヘム生成過程を検討した。 好気条件ではヘムは約3当量のNADPHによりビリベルジンにまで分解されることがわかった。次にα-ヒドロキシヘムを化学合成し、HOとの複合体を形成させ、ESRスペクトルを測定したところ、α-ヒドロキシヘムはFe(III)high spin体とFe(II)π neutral radical体の共鳴混成状態にあることがわかった。このradicalのシグナルは5Kにおいてマイクロ波強度1mW〜10mWで飽和した。厳密な嫌気条件下α-ヒドロキシヘム-HO複合体に酸素を徐々に添加したところ、酸素1.0当量を消費した時点でスペクトル変化は止まり、CO結合型および非結合型Fe(II)ベルドヘムの生成がみたれた。また、時間経過とともにCOの解離も観測された。このベルドヘムはCO再添加により完全にCO結合型に変換した。CO結合型および非結合型はいずれもESR-si1entであり、Fe(II)ベルドヘムの生成を裏付けた。また、K_3[Fe(CN)_6]添加によって生じた酸化体はFe(III)low spin typeのESRシグナルを示した。以上の結果から、ベルドヘム生成機構について、πradical体が酸素と反応してCO結合型ベルドヘムが形成され、この反応には電子の供給を必要とそないことが明らかになった。
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