研究課題/領域番号 |
10130204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
喜多 英治 筑波大学, 物理工学系, 教授 (80134203)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | トンネル伝導 / 磁気抵抗 / グラニュラー / 強磁性体 / MgF_2 |
研究概要 |
近年、絶縁体層を強磁性金属で挟んだトンネル接合膜や絶縁体中に強磁性金属を分散させたグラニュラー膜においてトンネル磁気抵抗(TMR)に関する報告が数多くなされている。この研究では強磁性金属の島状成長過程を利用し、強磁性層(Fe,Co)と絶縁体層(MgF_2)とを交互蒸着することにより、金属層と絶縁体層の構造を制御することを試みる。そして電気伝導特性と構造との関係を調べ、大きなTMR効果を得る条件を探査した。 これまでの実験結果からMgF^2層厚が30Åのとき強磁性層厚が〜40Å以下になると、電気抵抗の温度依存性は金属的なものから半導体的なものへと変化することが分かっている。半導体的な温度変化を示す試料のうちLogρがT^<-1/2>に従う試料では常温で数%の磁気抵抗比が観測された。(Fe29Å/MgF_2 30Å)と(Co30Å/MgF_2 30Å)の10Kでの磁気抵抗比それぞれ6%、7%である。常温では(Fe15Å/MgF_2 20Å)試料が15kOeで8%、55kOeでは11%と最大の磁気抵抗を示した。低温でのMRの増大が予測されるが、この試料の抵抗値は数+MΩであり低温域での測定は不可能であった。MgF_2層厚を20人Å及び30Åの場合のMRの大きさと抵抗率のFe層厚依存性を調べた結果、MgF_2層が20Åと薄い方がMRは大きく、またFe層を薄くすると共にMRは大きくなる事がわかった。低温でのMRの値は常温に比べて増大したが、測定できる範囲では分極率からの上限16%を越える値は観測されなかった。現状ではCIP配置の測定を行っているが温度変化を容易に測定するためには測定抵抗を下げる必要があり、CPP測定試料や電極間距離の小さい試料についての測定を予定している。
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