• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ナノEELSによる酸化物膜中の遷移金属ナノクラスターのスピン状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10130212
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

田中 信夫  名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40126876)

研究分担者 木塚 徳志  名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 講師 (10234303)
研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードナノEELS / 酸化物膜 / 遷移金属クラスター / スピン状態
研究概要

本研究では、最近研究が進展しているナノ磁性材料の局所のスピン状態を研究するために、(1)非磁性金属や非磁性酸化物の単結晶膜中に方位をそろえて磁性金属クラスターを埋め込み固定した新しい単結晶性のナノ材料薄膜を作製する。(2)電子線ナノプローブを局所的に当て1個の遷移金属クラスターや界面からの透過電子の電子エネルギー損失スペクトル(EELS)を測定し、そのスペクトルからナノメーター領域のスピン状態を評価する世界で初めての方法を開発する。(3)GMRやスピングラス様の特異な磁性を発現するナノ材料の磁性の原因を詳しく研究することを目標にした。
平成10年度は、同時蒸着法で作製したMgO単結晶蒸着膜中の数nmサイズのMnとVクラスターの構造と磁性状態を調べた。この単結晶複合膜試料の10-15nmφの領域からの電子線エネルギー損失分光(EELS)スペクトルの粗データは信号がきわめて弱くノイズも著しい。このデータから非弾性散乱した電子の検出器である1次元のYAG-フォトダイオード検出器の特性のばらつきなどを補正し、スペクトルの重ね合わせを行った。実験では、MnのL一吸収端に注目し、spin-orbit-couplingによって分裂したMnのL3,L2のピーク比(L_3/L_2)-white-1ine ratio-によりナノメータースケールのMnクラスターのスピン状態を研究した。今回、約10nmサイズの電子線プローブをもちいて、世界で初めて局所の磁性状態を区別する新しい方法の初期的なデータを得ることができた。White-line ratioからhigh-spinstate,low-spin stateを区別した研究はすでにX線吸収分光(XAS)で1980年代から行われている。EELSを用いた研究は1990年代からはじまり、それを遷移金属の微小クラスターに適用したのは当研究者がはじめてである。これまでのXASの研究によりlow-spin state状態の化合物では、white-line ratioは1前後、Fe_2O_3などのhigh-spin stateの化合物では4.0以上が報告されている。したがってこの埋め込み微小Mnクラスターの場合もhigh-spin state近い状態になっていることがたしかめられた。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N.Tanaka & N.Takeuchi: "STM/STS studies of tungston clasters on Si (III) Surface" HICRON. (印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

URL: 

公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi