研究課題/領域番号 |
10131214
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011675)
|
研究分担者 |
近藤 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (80302800)
横山 利彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20200917)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | In situ XAFS / 銀電極界面 / 臭素イオン吸着 / アルカンチオール / 銅単結晶 / SEXAFS |
研究概要 |
(1) Ag(100)電極上の臭素のXAFS 表題の系は-0.76V(0.35ML)で秩序・無秩序転移が起こることが知られており、秩序層では、c(2x2)の臭素吸着層を形成している。我々はこの秩序層での臭素原子の周りの局所構造をXAFS法によって調べた。実験はin situ条件下で行い、、全反射法で散乱X線を抑えることにより、満足なXAFSスペクトル測定に成功した。BrK吸収瑞XANESからは、Brから電極基板への電荷移動がおこっていることが分かった。EXAFS解析からは、BrがAg(100)面上のfourfold hollow siteにR(Br-A9)=2.82Aの結合距離で吸着していることが分かった。以上の結果は、最近のX線表面回折の結果と定性的には一致しているが、定量的にはかなり異なり、我々の結果は、臭素原子が銀基板に強い共有結合性をもって結合していることを示している。 (2) 銅基板上のアルカンチオールの吸着構造 代表的な自己組織化膜であるアルカンチオールが銅基板とどのように結合しているかを主として表面XAFSとSTMを用いて調べた。飽和吸着状態のCK-NEXAFSからは、アルカンチオールが基板表面から70度の傾きで立っていること、EXAFSからは、アルキルチオレイトとして基板に吸着し、Sが再配列しないCu(100)面上にfourfold hollow siteに吸着する構造をとること、Cu(111)面上では、基板の大きな再配列を伴い、S原子が基板に深く潜り込んだthreefold hollow siteに吸着する構造をとることが分かった。 STMからは、アルカンチオールの被覆率によって、表面の吸着の振る舞いがどのように変わるかを詳細に調べることができた。これら2つの手法による結果をまとめることにより、アルカンチオールと金属基板との相互作用に関する詳細な描像を得ることができた。
|