研究課題/領域番号 |
10131218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
露本 伊佐男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60282571)
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研究分担者 |
澤田 嗣郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011105)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 光熱変換 / 超高速 / フェムト秒 / ピコ秒 / 光電極反応 / エネルギー移動 / 固液界面 / 酸化チタン |
研究概要 |
フェムト秒過渡反射格子(TRG)法を開発し、固液界面のエネルギー移動の高速時間分解計測に応用した。固液界面の分光計測はこれまでは液相からのバックグラウンドが高いため、困難な状況にあった。そこに原理的にバックグラウンドが極めて少ないTRG法を適用したこと、及び測定用セルを工夫したことで、従来計測できなかった超高速緩和を高いS/N比でとることに成功した。 酸化チタンルチル単結晶(001)/KSCN水溶液界面に150フェムト秒のパルスを入射し、その後の屈折率の過渡的な変化を追跡した。その変化には従来知られているナノ秒レベルの電子・ホール再結合の成分に加えて、500フェムト秒で緩和する速い成分が観察された。この速い成分の強度は、KSCNの濃度を増加させると増大した。これは500フェムト秒以内の速い時間領域で、励起状態のキャリアが、吸着種であるチオシアン酸イオンに移動していることを示している。このような速い時間領域での電荷移動はこれまでの理論では説明できず、励起状態のホールが非平衡な状態でチオシアン酸イオンに移動していることを示唆している。これは酸化チタンのホットキャリアとその吸着種の相互作用の初めての観察である。光触媒、光電極として有名な酸化チタンでこのような相互作用が観察された意義は極めて大きく、反応効率とホットキャリアの相関の解明などを通じて、光触媒の設計などに有用な知見をもたらすものである。
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