研究課題/領域番号 |
10131221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐治 哲夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60142262)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ミセル電解法 / 泳動電着 / 銅フタロシアニン / 薄膜 / アゾベンゼン / 微粒子 |
研究概要 |
本研究では、ミセル電解法および泳動電着法により銅フタロシアニン(CuPc)の微粒子の薄膜を種々条件下で作成し、さらに、モノマーの泳動電着によりCuPc薄膜を作成して両者を比較し、薄膜の結晶構造の制御することを目的とし以下の研究結果を得た。 ミセル電解法。アゾベンゼン修飾界面活性剤水溶液にCuPc微粒子を分散し、接触めっきによりITO上に青色の薄膜が得られた。SEM観察より、得られた薄膜はいずれも約0.1μ-mの微粒子より構成されていた。また、可視吸収スペクトルは使用したCuPc特有のピークを示し、結晶構造が維持されていた。微粒子の泳動電着。よう素の2-ブタノン溶液にCuPc微粒子を分散し,カーボンを陽極、ITOを陰極として電極間を1cmで電圧を付加して微粒子を泳動電着した。ITO上に青色の薄膜が得られた。SEM観察より、得られた薄膜はいずれも約0.1μmの微粒子より構成され結晶構造が維持されていた。モノマーの泳動電着。トリフロオロ酢酸のジクロロメタン溶液にCuPcを溶解し、泳動電着したところITO上に青緑色の薄膜が得られた。薄膜は基板との密着性に優れ、繊維状の結晶構造であった。薄膜の吸収スペクトルおよびX線回折パターンより結晶構造はα型であった。一方、蒸着法により得られる薄膜はより小さな結晶から構成されており、本研究で得られたものと大きく異なっている。この違いは薄膜の形成時間が短い(60秒)、湿式である、生成した薄膜の一部がプロトン化する等に起因すると考えられる。以上のように、本研究によりCuPcの薄膜の結晶構造は薄膜作成法により制御できることが明らかとなった。
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