研究課題/領域番号 |
10131225
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
堂免 一成 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10155624)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 層状化合物 / 層間修飾 / 薄膜 / 剥離 / スピンコート |
研究概要 |
本研究では、表面が非常に均一である層間にアルキル金属イオンを含む層状チタン酸〔CSXTi_<(2-X/4)>□_<x/4>O_4(x〜0.7,□:vacancy)〕をソフトケミカル的手法によりその層を原子レベルまで剥離し薄膜化することにより、その構造を評価し従来にない特性をもつ機能性材料を創製することを目的としている。 まず出発物質である層状チタン酸を酸を用いてプロトン体にし、アルキルアミンをインターカレートさせることで層の剥離を行い、遠心分離で剥離しなかった固体相を除去した後の均一に懸濁した二次元のマクロポリアニオンシートを含む溶液を用いた。そして、石英、シリコンウェハーなどの基板上にこの懸濁液をスピンコートさせると、基板に対して層が平行に配列した層状薄膜を合成することができた。この手法は、特殊な条件等を必要とする従来の薄膜生成技術とは異なり、いわゆる「ソフトケミカル」と呼ばれる簡便な手法である。こうして得られた薄膜は、層状化合物の特徴的な反応であるイオン交換能を持っており、金属錯体や色素分子のような光機能性分子の層間への固定化が可能であった。また層間を元のcs体に戻すことにより600℃焼成後も安定に層構造を保つ薄膜を得ることができた。これまでカチオン性のイオンや錯体のインターカレーションについて検討してきたが、これはチタン酸のシートが負電荷を持つために、層間には正電荷を有するものしか安定に存在できないからである。しかし負電荷を有するシートからなる層状酸化物においても、アミンを層間に挿入することで中性のTEOSのインターカレートが可能であり、500℃焼成することでSiO_2架橋体を合成することができた。このような中性の分子は、層間のアミンと親和することにより層間に安定に存在できるようになるものと考えられる。
|