研究課題/領域番号 |
10131228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
渡辺 正義 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60158657)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | イオン伝導性高分子 / 電子移動反応 / 機能界面 / リチウム電池 / 傾斜機能材料 / ポリピロール / 高分子固体電解質 |
研究概要 |
本研究の目的は、電子移動反応の場にイオン伝導性高分子を用い、電極活物質との間で迅速な電子移動反応を可能とする機能界面を構築し、これを高効率固体電池創製のための革新的方法論とすることにある。イオン伝導性高分子は、一種の固体溶媒であり、この中に電解質を溶解することにより、イオン伝導性が発現する。さらに固体膜として機能するために、固体電解質としての応用が可能になる。しかし、固体電解質/電極活物質間の機能界面形成には、液体電解質/電極活物質間の界面形成と比較し、多くの克服しなければならない問題がある。例えば液体電解質の持つ分子ダイナミクス、濡れ性、浸透性は、固体電解質とすることで著しく低下あるいはなくなるために、迅速な電子移動反応を可能とする機能界面の形成が困難となる。一方、イオン伝導性高分子を用いることにより、電解質の固体化が可能になるため、電極活物質から高分子固体電解質へと連続的に組成を変化させた高分子傾斜材料が実現されれば、新しい機能界面を持つ迅速電子移動系が創製できる。本研究では、高分子ダイナミクスと電子移動速度の相関を明らかにし、さらに電極活物質と高分子固体電解質の傾斜材料を合成することによって固体電解質の持つ界面形成の問題点を克服した新しい迅速電子移動系の実現を図った。具体的には、高分子固体電解質/金属リチウム界面が極めて安定であり、その電子移動速度はイオン導電率と相関し、高分子中の自由末端側密度の増大とともに増大するという事実を見いだした。さらに高分子固体電解質を用いたピロールのin situ重合によって、電極活物質から高分子固体電解質へと連続的に組成を変化させた高分子傾斜材料が合成でき、さらに迅速電子移動系が実現されることを示した。
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