研究概要 |
1, 粒子の分散状態と露出結晶面(in situ)の観察 ジニトロジアミン系白金錯体と各種ルテニウム塩を用いて、平均直径が2-6nmの範囲でサイズが揃った白金及び白金-ルテニウム超微粒子を鏡面研磨したグラシーカーボン及び活性炭上に高分散担持することに成功した。グラシーカーボン上に担持した白金超微粒子(モデル電極)については、in-situ ECSTMにて粒子形態の観察を試みた。電解水溶液中での粒子観察はできたが、表面原子配列及び露出結晶面の観察には成功しておらず、今後の課題として残された。 2, Pt-Ru系超微粒子の固溶状態の観察 ジニトロジアミン系白金錯体を用いることにより、ルテニウムとの合金化にも有利であることが判明した。白金-ルテニウム超微粒子の格子定数は、ジニトロジアミン系白金錯体と硝酸ルテニウムから作製した場合に、理論値に近い値が得られた。 3, 超微粒子表面での電極反応挙動 Pt-Ru/C(活性炭)触媒を電極として、メタノールの酸化反応を定電位分極させて酸化電流の挙動を調べたところ、50%Pt-50%Ruの組成の定常活性が最も高い値を示した。ジニトロジアミン系白金錯体と、RuCl_3、Ru_3(CO)_<12>、Ru(NO_3)_3をそれぞれ用いて合金を調製し上記の電極触媒特性を調べたところ、Ru_3(CO)_<12>と組み合わせた場合の定常活性が最も高い値を示した。固溶の程度は、ジニトロジアミン系白金錯体とRu_3(CO)_<12>と組み合わせた場合よりも、Ru(NO_3)_3と組み合わせた場合の方が進んでいるので、高活性の原因の解明には、表面構造の詳細な解析が必要と考えられる。
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