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電極反応機構の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10131232
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

垣谷 俊昭  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90027350)

研究分担者 倭 剛久  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90251587)
研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード電極反応機構 / 電極界面 / 非線形ゆらぎ / エネルギーギャップ則 / reaction field / モンテカルロシミュレーション / 反応座表理論 / 電解質イオン
研究概要

電極界面は基本的に2次元的であり、かつ高濃度の電解質イオンが吸着・凝縮している。
従って、シミュレーションを含む理論的研究は大変に難しく、ボルタ以来200年の研究によっても未だ反応機構が十分解明されたとは言い難い。本研究は、電極反応における物理的本質をできるだけ明確にとらえるため、始めは分子モデルを比較的簡単化した系でモンテカルロシミュレーションを行い、徐々に実際的分子モデルに近づけるというストラテジーをとる。その第1段階として、全ての分子・イオンを球状に仮定し、さらに金属の鏡像力を考慮して、有限の大きさの球形容器の中に粒子を閉じこめてシミュレーションを行った。それを電子移動にたいする反応座標理論で解析した結果、電極界面でイオンおよび溶媒分子の揺らぎに大きな非線形性のあることが見いだされた。従って、線形応答を基礎にするマーカスのエネルギーギャップ則(パラボラ状)は反応の種類に依存して大きく変形する。このように異常に大きな非線形性が得られたのは、シミュレーションに用いた分子モデルを簡単化しすぎたためである可能性を検討する必要がある。そのために、溶媒分子を通常の水分子モデルtip3pに置き換え、熱平衡状態を完全に達成するためにmulticanonicalモンテカルロ法を採用する。さらに、有限の大きさの球状容器の境界条件による影響を緩和するために、容器の外側に水分子の揺らぎに相当するreaction fieldを発生させることにした。現在これらのプログラムを書き終え、データを集積中である。今年度は、上の作業と平行して、簡単な分子モデルで得られたシミュレーションデータを用いてさらに詳しい解析を行った。その結果、中性の反応体は電極表面に対して接近したり遠ざかる揺らぎが大きく、荷電反応体は揺らぎが小さい。
すなわち、反応体の揺らぎ運動が非常に大きな非線形性を持つことが分かった。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Kakitani: "Deuterium Substtitution Effect on the Excited-State Dynamics of Rhodopsin." J.Phys.Chem.B. 102,7. 1334-1339 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] A.Kimura: "Nonperturbative Method of Electron Transfer via a Midway Molecule." Chem.Phys.Letters. 298. 241-249 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] S.Yamamoto: "Ab initio MO Study on the Potential energy Surfaces of Low-lying Excited States of Protonated Schiff Base Retinal." THEOCHEM. 451. 151-162 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] T.Kakitani: "Theory of Excitation Transfer in the Intermediate Coupling Case" J.Phys.Chem.B. (in press). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 垣谷 俊昭: "光・物質・生命と反応 上" 丸善株式会社, 206 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 垣谷 俊昭: "光・物質・生命と反応 下" 丸善株式会社, 250 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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