研究課題/領域番号 |
10131237
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
夛田 博一 京都大学, 工学研究科, 講師 (40216974)
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研究分担者 |
堀内 俊寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (10238785)
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40283626)
松重 和美 京都大学, 工学研究科, 教授 (80091362)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ガスセンサー / アンモニア / 二酸化窒素 / 有機半導体 / MIS構造 / 界面電位 |
研究概要 |
大気汚染や悪臭など生活をとりまく環境衛生の問題は、早急に解決すべき最重要課題のひとつであり、高感度・高速に応答するガスセンサーの開発に期待が寄せられている。研究代表者らは、新しい検出方法として、金属/有機層/半導体(MIS)構造を持つセルを作製し、有機層へのガス吸着により界面ポテンシャルが変化することを利用してガスを検知する方法の可能性を検討した。 金電極/金属フタロシアニン薄膜/シリコンの構造を持つセルが、アンモニアガスや二酸化窒素ガスに対して応答することを見いだした。基板としてフッ化水素処理したn型シリコンを用い、電極としては金を用いてショットキー障壁を形成し、有機層として酸化バナジウムフタロシアニン(VOPc)薄膜を挿入した。応答の様子は、VOPc層の膜厚に依存した。NH3に対する応答では、VOPcが厚い場合は、電気伝導度が減少する。VOPc層を挟まない場合は応答せず、VOPc層の厚み10nmのセルが高感度の応答をしていることがわかる。この場合電気伝導度は減少する。通常p型半導体特性を示すフタロシアニンは、電子供与性ガスのNH3の吸着により電気伝導度が減少することが知られており、VOPc層が薄い場合のMJS型センサーは逆の応答を示している。このことより、このセンサーでは、VOPc層の電気伝導度変化ではなく界面準位の変化を検出しているものと思われる。 NO2に対しては、VOPc層が無くても応答するが、VOPc層の挿入により応答量が飛躍的に増大していることがわかる。酸素に対しては、電気伝導度が減少する特性を示し、NO2と区別することが可能である。このセルが、ガスの検知に使用可能であり、界面構造を制御することにより、高速応答性、高感度化、および高いガス選択性が望めると期待される。
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