研究課題/領域番号 |
10131261
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上原 赫 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (60081329)
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研究分担者 |
井上 直久 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (60275287)
岩田 耕一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081242)
杉本 晃 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081323)
水野 一彦 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10109879)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高品質単分子膜 / ナノメートル領域AFMI-V測定 / 原子間力顕微鏡(AFM) / 電子授受 / 整流特性 / 分子ダイオード |
研究概要 |
高効率、低コストの有機太陽電池を開発するための基盤技術として、ナノメーターレベルで構造規制された有機色素薄膜と電極との界面における電子授受の特性をAFM I-V測定によって調べた。 長鎖アルキル基をもつ電子供与体としてのジヒドロフェナジン誘導体(D)と電子受容体としての3,5-ジニトロベンゼン(A)をメチレン鎖1個でシグマ(σ)結合したD-σ-A化合物(PNX)を合成し、クリーンルーム(クラス1000)の暗室に設置されたLB膜作成装置(KSV Instruments社KSV-5000)を用いて単分子膜の作成を行なった。等歪み圧縮と水面降下法によりマイカまたはAu(111)基板上に高品質単分子膜を得て、AFMによる分子像観察、さらにAFM I-V法の適用を試みた。 その結果、AFM I-V法では電荷注入はナノメーター領域の点接触によって行われ、接触抵抗はカンチレバーにかかる力によって制御される。STSと異なりこの方法は表面形状とI-V特性とが独立して取り出せる。さらにこの方法を用いて単分子膜と接触した状態で測定すると、電子供与体から陽極への電子移動を調べることが可能であり、また表面形状から、分子配列のよい領域を選択して電気特性を測定することが可能である。Au(111)上の単分子膜は分子像が得られなかった。Au(111)基板に転写した単分子膜で40個の異なるカンチレバー位置でAFM I-V特性を測定したところ50%が整流特性を示した。整流特性を示すものは分子が基板に対して垂直に並んでいると思われ、分子ダイオードとして機能していることがわかった。
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