研究課題/領域番号 |
10132210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
辰巳 敬 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30101108)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 過酸化水素 / 環化 / エポキシ化 / メタロシリケート / チタン / 形状選択性 / 溶媒効果 |
研究概要 |
不飽和アルコールから一段で選択的にテトラヒドロフラン環やテトラヒドロピラン環を有する生成物を合成する反応を引き続き行った。触媒としてはTS-1の他にBEA構造のTi-b、さらにメソポーラスモレキュラーシーブTi-MCM-41を合成した。これらはそれぞれ5.3x5.6Å、7.6x6.4Å、約30Åの均一なサイズの細孔を有している。このことから細孔内反応場の立体的制約を利用した反応の設計が可能と考えられる。ホモアリルアルコール類を室温で反応させると、環化が起こりテトラヒドロフラン環が主生成物となるが、60℃ではトリオールがほとんどとなった。さらに4-ペンテン-1-オールではexo体のテトラヒドロフラン環のみが得られ、endo体得られない。この場合5-endo環化が起こっている4-ペンテン-2-オールの場合と異なり、60℃でもトリオールがほとんど得られなかった。5-exo環化が有利なためと理解できる。この選択性は環化がプロトン化機構で進行するため置換基の多い炭素が攻撃されたためとも考えられるが、4-ヘキセン-1-オールを用いても5-exo/6-endoの選択性は100/0となった。同様な反応をTi-bやTi-MCM-41で行うと5exo/6-endoはそれぞれ約1.5、0.9となることから、TS-1による高い選択性は酸素10員環の細孔サイズによる遷移状態規制によりより大きな環の形成が不利となったもとと解釈できる。ゼオライト細孔のサイズによる環化の位置選択性の制御が実現できた。さらに固相-液相の反応方式の選択により生成物の選択性を制御することもできた。
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