研究課題/領域番号 |
10132213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
千葉 一裕 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20227325)
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研究分担者 |
多田 全宏 東京農工大学, 農学部, 教授 (60111639)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 電解酸化 / 反応場 / ディールスアルダー反応 / キノンメチド |
研究概要 |
電解法では不均一反応系の特性を活かすことにより、基質の選択的な活性化や不安定中間体の反応制御、温和な条件下における炭素-炭素結合形成反応などを実現できる可能性がある。う本研究では、電解反応系において電解基質以外の共存物質を電極表面から隔絶してほじし、さらに電解で生成した活性中間体と共存物質との反応を促進する作用を示す反応場を導入することにより、従来法では困難であった基質の選択的な活性化に伴う付加環化反応を実現し、さらにこの反応システムを、天然物合成に応用した。 (反応場を用いた立体選択的なデカリン骨格の合成)電解酸化によって生成した不安定なキノンを反応系に共存させたジエンでトラップすることにより、多くの置換基を有するデカリン骨格を簡便に合成することができる。しかし一般にジエン類も同じに酸化されやすい。そこで新たにフッ素樹脂表面を反応場として電解系に導入した。その結果、疎水性のジエン類は樹脂表面に保持され、ハイドロキノンが選択的に酸化され、さらに樹脂表面でキノンとジエンとの付加環化生成物が高立体選択的に得られた。 (フッ素樹脂繊維反応場を用いた光電解酸化法によるクロマン骨格の合成)メチレンブルー存在下、可視光照射によってスルフィドを酸化することにより、キノンメチドを生成した。フッ素樹脂表面を反応場をすることにより、酸化されやすいアルケンとの付加環化反応が円滑に進行し、高収率で多様なクロマン骨格が得られた。 (天然生理活性物質合成への応用)近年、ユーカリから得られたユーグロバールは抗マラリア活性や皮膚ガン活性化抑制作用を示す。この全合成についてフッ素樹脂表面を反応場とした電解酸化システムを応用したところ、高収率でキーステップの反応が進行した。最終的に6種類の天然物を合成し、絶対立体配置も決定した。
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