研究課題/領域番号 |
10132248
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
新藤 充 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40226345)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | イノラート / αα-ジブロモエステル / エステルジアニオン / β-ラクトン / オレフィン化反応 / β-ラクタム |
研究概要 |
イノラートアニオンの化学に関して以下の研究を行った。 1. α-ブロモ、及びα、α-ジブロモエステルを基質としたイノラートアニオンの新規合成法を確立し、その簡便性、一般性、高効率性を実証した。本方法論はエステルジアニオンを中間体とする全く新しい方法論であり、これによってイノラート化学開拓の突破口を開くことができた。 2. イノラートとカルボニル化合物との反応:イノラートとアルデヒド及びケトンとの反応を精査した。その結果、β-ラクトンエノラートの生成が確認され、その反応性も明らかにすることができた。すなわちこの中間体は強い求核活性が有るために引き続く連続反応への展開が可能であることを見出した。 3. β-ラクトンの合成:先に述べたβ-ラクトンエノラートをプロトン化することで各種βラクトンが生成することを確認した。 4. 新規高選択的オレフィン化反応:イノラートとカルボニルとの反応で生成したβ-ラクトンエノラートを室温まで昇温することで電子環状反応が生じて開環し、E選択的にオレフィン(α、β不飽和カルボン酸)が生成した。このオレフィン化反応は従来法では制御が困難な4置換オレフィンの立体選択的合成にも応用可能であることもわかった。本反応は定法であるHonor-Emmons反応に匹敵あるいは凌駕する選択性、反応性、簡便性、汎用性を示し有機合成上きわめて有用であると考えられる。 5. β-ラクタムの合成:イノラートと電子吸引性基を有するイミンとの反応で、β-ラクタム環を合成することに成功した。またプロトン化剤を工夫することでその立体選択性も制御することができた。
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