研究概要 |
種々のトリフルオロメチル置換オレフィンやフルオロメチルスルフィドの合成素子としての有用性を確立するために、電解による変換反応を検討した。トリフルオロメチル基とスルホニル基を有するオレフィンをプロトンドナー存在下に反応を行うと単に脱硫化生成物のみが得られるが、陽極にMgを用いるとhead-to-headカップリングの後、部分脱フッ素化が起こり、フルオロシクロペンテン誘導体が収率よく生成した。 次に、硫黄炭素混合電極を陰極に用いて電解する方法を検討した。トリフルオロメチル基を有するクムレンを基質に用いて反応を行うとクムレン炭素への付加反応が起こり、8員環化合物1,2,5,6-テトラチオシン誘導体を収率よく与えた。一方、テトラアリールクムレンは同条件下で7員環化合物1,2,3,4,5-ペンタチエピンを優先的にあたえた。トリフルオロメチル基を有するジブルモメチレン誘導体を電解還元すると、収率よくモノ臭素化物の異性体混合物を与える。この電解反応においては、プロトンドナーが存在していない場合でも同様の結果を与え、FBWタイプの転位反応や、アルキリデンカルベンの二量化反応などは全く見られなかった。硫黄・炭素混合電極で処理すると中間体としてチオケテン等価体が生成し、これがさらに反応したと考えられる様々な含硫黄複素環化合物を与えることを見いだした。
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