研究課題/領域番号 |
10133213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (00152455)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | チタノセン / 白金 / パラジウム / 異種金属複核錯体 / 配位子移動反応 |
研究概要 |
単核、多核を問わず配位硫黄原子を有する錯体の構造や電子状態に関する研究は興味深いが、その動的挙動や反応性については十分な検討が行なわれていない。 本研究ではチオラト(SR)配位子に代表される各種含硫黄有機基の遷移金属錯体間移動反応の機構を解明し、新しい含硫黄遷移金属錯体の合成、含硫黄無機材料の前駆体の新規合成法開発へと展開することを目的とする。前年度までの研究で合成した各種遷移金属のチオラト錯体、及び有機配位子とチオラト配位子が混合配位した化合物と他の遷移金属のハロゲノ錯体、カチオン性錯体との反応を種々の金属の組み合わせで行ない、チオラト配位子の錯体間移動反応生成物を同定を行ない、多くの系で反応速度の評価を行なった。 チオラトチタノセン錯体とクロロメチル白金およびパラジウム錯体の反応を詳細に検討した。 いずれの場合にもチオラト配位子はチタンから白金、パラジウムへ円滑に移動し、これら10族遷移金属のチオラト錯体を生成した。 反応中、白金やパラジウムのメチル配位子は変化せず、イオン性の中間体を経由する機構を示唆する。 反応速度の測定を吸収スペクトルの変化により行ない、速度式および速度論的パラメーターの決定を行なった。 特にモノチオラトチタノセン錯体とクロロメチル白金錯体との反応ではチオラト配位子の移動は進行するものの、反応は両錯体の直接の反応によるのではなく、チタノセン錯体の不均化により生成したジチオラト錯体が白金錯体と反応することが明らかになった。 これをはじめとして多数の錯体の組み合わせで機構の解明を行ない、チタン及び白金錯体のチオラト配位子移動において、反応性を支配する因子を明確に抽出することができた。 また、白金ーチタン異種金属二核錯体を反応系から単離し、これが配位子移動の中間体に相当することを明らか吸した。
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