研究課題/領域番号 |
10133222
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
辻 康之 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (30144330)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | トリメチルシリルシアニド / パラジウム錯体 / 酢酸アリル / 炭酸アリル / 酸素親和力 / シアノ化反応 |
研究概要 |
我々はすでに平成9年度において本「インクエレメント」重点領域研究の研究費を受け「有機第14族化合物の接触的活性化に関する研究」なる研究題目のもと研究を進めてきた。昨年度は主として錯体化学的な研究を中心に行った。本年度においてはその知見を基に有機スズあるいは有機ケイ素化合物を用いる錯体触媒反応の開発ならびにその触媒活性種のキャラクタリゼーションを試みた。特に14族元素の酸素親和力を有効に錯体触媒反応に利用できると考えられるので酸素を含む脱離基を有する基質を用いた錯体触媒反応を検討した。その結果、酢酸アリルあるいは炭酸アリルを基質に用いるシアノ化反応がパラジウム錯体触媒存在下、高位置ならびに立体選択的に進行することを見いだした。シアノ化試剤としては酸素親和力の強いケイ素部位がシアノ基と直接結合しているトリメチルシリルシアニドを用いたときシアノ化能が極めて高いことを見いだした。ケイ素の酸素親和力が重要であることは、他のパラジウム触媒を用いる反応の際にシアノ化試剤として用いられるシアン化カリウム、シアン化ナトリウムが全く本反応においてはシアノ化能を示さなかったこと、さらには反応後の溶液のケイ素核NMRスペクトルの検討によりケイ素部位が酸素脱離基を効率よく補足していることが明らかになったことからも明確に示された。このように14族元素化合物の特性を活かすことにより従来達成が困難であった有用物質の官能基可反応に成功した。
|