研究課題/領域番号 |
10135101
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
張 紀久夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60013489)
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研究分担者 |
大淵 泰司 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10201980)
安食 博志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60283735)
石原 一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (60273611)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 非局所応答理論 / 共鳴SNOM / 配置共鳴効果 / 操作モード / 操作モード依存性 / Wispering Galleryモード / 輻射寿命幅 |
研究概要 |
非局所応答理論を用いて以下の2つの問題を考察した。 (1) 非共鳴基板上の共鳴物質を走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)で観測する時の信号強度分布を計算することを想定して、非局所理論の新しいバージョンとして「非共鳴分極の効果は局所応答として光のグリーン関数に繰り込み、残る共鳴分極の有限個の自由度だけを非局所的に扱う」という実用的な枠組みを作った。これを用いて、基板上の微小共鳴物質(試料)をそれに近い共鳴準位をもつプローブ端で探るという共鳴SNOMの問題を考察した。プローブ振動数を一定に保って信号を測ると、共鳴からのずれの程度に応じて系に誘起される分極が顕著に変化し、それが信号強度像に直接反映される「配置共鳴効果」を詳しく調べた。その結果、共鳴準位の個々の性質に著しく依存した信号像が得られること、それは試料の幾何学的形状とは別のプローブ位置と振動数に依存した誘起分極のある断面像であること,また、信号強度はSNOMの操作モード(照射、反射、集光モードなど)に強く依存することが示された。 (2) 誘電媒質の存在により電磁場のモード構造が変化するために生じる顕著な効果の1つとして、誘電体球の表面近傍に置かれた原子の輻射寿命を考察した。球の電磁場固有モードであるWG(whispering gallery)モードと「原子」(実際の原子だけでなく、分子や超微粒子も含む)の共鳴準位が結合して新しいモードを作る問題を、(1)と同じ理論の枠組みを用いて計算した。「原子」準位と特定の(高Q値)WGモードが近づくと両者の相互作用により生じた結合モードがはっきり現れ、それぞれのピークのシフトと輻射寿命幅は両者の間で元の値を再配分し合う形で変化する。この事情が「原子」位置、偏光、WGモードの周波数域とスペクトル幅に強く依存する様子を詳しく調べた。
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