研究課題/領域番号 |
10135202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
〓 鐘石 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20165525)
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研究分担者 |
水野 皓司 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30005326)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 近接場-電子相互作用 / 金属スリット / 赤外線 / 電子ビーム / スリットプローブ |
研究概要 |
本年度は、前年度に引き続き金属スリットを用いた近接場-電子相互作用を波長10μm帯で観測する事を目的に、その実験準備を進めた。又、本研究課題期間中に提案・開発した金属スリット回路を近接場プローブとして用いる近接場顕微鏡の有用性を半導体キャリア分布の可視化を行うことで証明した。以下に、その成果を箇条書きに示す。 1. 金属スリット回路上近接場に関する理論の実験的検証 レーザー光照射により金属スリット上に発生する近接場分布を理論的に調べ、その結果をマイクロ波帯で実験的に検証した。その結果、モーメント法を用いた理論結果が実験と良く一致することが分かった。 2. 相互作用実験 理論解析結果に基づき、金属スリット(幅=0〜8μm)回路を製作し、現在まで開発した電子銃、電子エネルギー分析器等の装置を統合し、波長10.6μm帯で最初の実験を行った。残念ながら、電子のレーザー光によるエネルギー変化は観測されなかったが、この実験を通して、レーザー光と電子ビームとの位置合わせ、電子検出系の感度等に対する要求精度を明らかに出来た。現在、その結果に基づく装置改良を進めている。 3. 金属スリットプローブを用いた新型近接場顕微鏡システムの有用性の実証 透過効率の非常に高いスリット型プローブの特徴を活かして、金属スリットプローブとX線断層写真で用いられる画像再構成アルゴリズムを利用した、全く新しい形の近接場顕微鏡システムの開発を進め、半導体中の光励起キャリアの可視化にミリ波帯で成功した。この結果は、スリットプローブ型顕微鏡方式の有用性を証明している。
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