研究課題/領域番号 |
10135217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高原 淳一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90273606)
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研究分担者 |
小林 哲郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10029522)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 1次元光波 / 回折限界 / 負誘電体 / ナノメートル / 低次元光波 / 負誘電体チューブ / Fanoモード |
研究概要 |
本研究は金属・誘電体極細ファイバにおける1次元光波の伝搬モードについて理論的に調べ、光の回折限界より十分小さな光ビームを形成し、回折拡がり無く伝搬させる方法を見いだすことを目的とする。系として金属コートした光ファイバーの理想的モデルである負誘電体(金属)チューブを考え、その伝送特性(伝搬モードと伝送損失)の解析を行った。本研究で我々が得た新たな結果を以下にまとめる。 1. 1次元光波のTMモードとハイブリッドモードについて伝搬モードを求めた。その結果、TMモードでは1次元光波の解が二つのモードに分かれることがわかった。この分離は負誘電体層の厚さに強く依存しており、厚さが真空波長の1/10程度以下になると明確に現れる。また界分布の計算から、これが各界面の表面波の偶、奇結合に対応していることがわかった。奇モードの伝搬定数はコア半径を小さくするとカットオフを持つが、偶モードの伝搬定数は無限に大きくなる。これは負誘電体薄膜および間隙において知られているFanoモードの振る舞いと同様であった。また、ハイブリッドモードの中にも、伝搬定数がコア半径を小さくすると無限に大きくなるものがあることがわかった。 2. TMモードのビーム半径について調べた。その結果、偶モードの伝搬定数がコア半径を小さくすると無限に大きくなる性質のために、ビーム半径はコア半径を小さくするにつれていくらでも小さくできることがわかった。このことは光ビームの直径をナノメートルオーダーまで小さく絞ったまま伝送できることを示している。また、金属の損失を考慮して伝送距離を求めた結果、サブμm〜μ程度の伝送距離があり、長距離伝送はできないもののナノ領域の伝送には十分であることがわかった。 以上の結果から、負誘電体チューブはナノメートル径を持つ光の伝送路となることがわかった。
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