研究課題/領域番号 |
10136201
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸川 健三郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20001191)
|
研究分担者 |
武澤 和義 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80001311)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 形状記憶効果 / マルテンサイト変態 / ゴム状弾性効果 / 合金規則度 / 短距離規則度 / 時効効果 / モンテカルロ法 |
研究概要 |
ゴム状弾性はCu-Zn-Al合金やAu-Cd合金のマルテンサイト相に現れる特異な擬弾性である。これはマルテンサイトの状態で適当な時効熱処理を施したときにだけ現れる。この現象における弾性的復元力の原因は長年不明であったが、数年前、著者らは合金原子配列における短距離規則度の時効変化が原因であるとの説を提唱した。本研究はこの現象の出現条件をさらに詳細に明らかにすることを目的としている。 実験的にはAg-Zn-Al合金においてこの現象が見られるかどうかを調べた。現在までの調査ではまだ見つかっていない。またこの合金で短距離規則度の時効変化を電子線回折で調べた。短距離規則構造に基づくと思われる散漫散乱に顕著な時効変化があることを見出した。 一方、理論面からの検討も行った。まず、この効果の大きさが短距離規則度のうち第1近接原子間のものと第2近接原子間のもの(ただし、ともに同種サイト間のもの)との差に比例することを明らかにした。つぎに、短距離規則度についてモンテカルロ法によるシミュレーションを行った。その結果、ゴム状弾性に関係する第1近接原子間と第2近接原子間の短距離規則度の差は、変態直後ではゼロであるが、時効とともに大きくなることを確認した。さらに、平衡状態ではこの差は長距離規則度の臨界温度近辺で大きいことを明らかにした。従って、各合金において臨界温度近辺での長時間時効が大きなゴム状弾性をもたらすと推論できる。
|