研究課題/領域番号 |
10136205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
池田 博 筑波大学, 物理工学系, 講師 (50272167)
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研究分担者 |
大塚 秀幸 科学技術庁金属材料技術研究所, 強磁場ステーション大型磁場ユニット, 主任研究官
田崎 明 筑波大学, 物理工学系, 名誉教授 (00029414)
喜多 英治 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80134203)
吉崎 亮造 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70011137)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 窒化鉄 / α"-Fe_<16>N_2 / マルテンサイト変態 / 磁場誘起変態 / α'-FeN / γ-FeN / 強磁場 / 磁化 |
研究概要 |
2.8Tの磁化を持つと言われているbct構造の準安定窒化鉄α"-Fe_<16>N_2はマイクロマシンやハードディスクドライブの磁気回路材料として有望ではあるが、四半世紀経過した現在でもバルク試料は作製されていない。我々はアンモニア窒化法でδ-FeN(窒素オーステナイト)を作製後急冷してα'相(窒素マルテンサイト)を得た後、熱処理でα"相にする方法を改良して単相バルク試料の作製に挑んでいる。この方法では全てのγ相をα'相に変態させねばならない。我々は磁場がγ相の相変態に与える影響を調べ、強磁場が変態率向上に有効であることを発見した。 9.8at.%Nのγ相単相試料を無磁場で4.2Kに冷却後、強磁場を印加し、無磁場で室温に戻してX線回折と磁化測定を行った。無磁場で冷却した試料の室温に於ける自発磁化は145emu/g程度であるが、磁場を印加するとα'相への変態率が向上し、32Tの定常磁場を印加した場合は212emu/gとなった。純鉄は218emu/gである。この試料でもX線回折スペクトルにγ相が明瞭に観察されており、γ相とα'相の回折線強度比からα'相の磁化が純鉄より大きいことは間違いないと我々は予想している。今後は4.2Kだけではなく磁場を印加する温度を変え、パルスマグネットで複数回のパルス磁場を印加して時間の効果も加味して変態率の一層の向上をはかる。 α'を熱処理すると格子間の窒素原子が規則配列してα"相になるが、熱処理前後で磁化に変化は見られず、磁化の大きさが窒素の規則不規則には余り関係なく、鉄当たり原子体積に依存している事を示唆している。これが正しければ、α"相、すなわち窒素の規則配列にこだわらず、より多くの窒素を含んだbct相がより大きい磁化を持つと予想される。
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