研究課題/領域番号 |
10136207
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
堀内 弘之 弘前大学, 教育学部, 教授 (80029892)
|
研究分担者 |
宍戸 統悦 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (50125580)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | ペロブスカイト / 希土類アルミネート / 構造相転移 / 相平衡 / 結晶構造 / X線回折 / 構造制御 / 希土類ガレート |
研究概要 |
ペロブスカイト型構造を示す珪酸塩は地球下部マントルにおける主要鉱物の一つとみなされており、その結晶構造の詳細な知見は地球深部物質を理解する上でも重要な情報である。本研究ではペロブスカイト相の結晶構造変化に及ぼすいろいろな要因のうち、特に温度、A、Bイオンの組み合わせに着目して、その結晶構造の系統的変化に着目し、その変化を制御すること、ペロブスカイト型相の高温高圧下での構造変化をシミュレートし相平衡の様式を予測すること、さらには、この構造変化に特徴的な変位型構造相転移のメカニズムを解明することをも目標とした。本実験で用いた方法は、主として高温下に於ける様々な方法による試料の創成とX線回折による構造解析、熱分析による相転移観察である。これらの成果により、室温においてはペロブスカイト型固溶体(Ndx,S_<m1-x>)AlO_3ではx=0.73付近を境として菱面体格子と斜方格子に構造が分かれることが分かった。さらに、置換量xと相転移温度との関係を明らかにすることによって、この相ではわずかxを0.01変化させることによって、相転移温度が35℃も変化すること、これはイオン半径変化の僅か10^<-4>nmに対応することが明らかになった。このように、イオン半径を適切に選択することによって構造相転移温度を任意にしかも微妙に制御できるという興味深い事実が見出された。また、結晶構造中でのイオン半径の変化は見かけ上温度圧力の変化に対応するとの考察により、希土類アルミネートペロブスカイトでは、温度圧力下では斜方晶系、三方晶系(菱面体格子)、立方晶系間の相平衡が存在し得るという可能性を提唱した。一方RGaO3では希土類元素Rの全領域にわたり斜方格子であるが、その格子形状の綿密な考察により、RGaO_3の結晶構造はRAlO_3の結晶構造を更に高圧側にシフトさせた構造の特徴を示すであろうことを示した。
|