研究課題/領域番号 |
10136235
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉田 憲一 徳島大学, 工学部, 助教授 (50200986)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アコースティックエミッション / Cu-Al-Ni合金 / 形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 金属間化合物 / 超弾性効果 |
研究概要 |
Cu-Al-Ni形状記憶合金単結晶を用いて、超弾性変形中のマルテンサイト変態および逆変態過程を、主にAE波形解析によって動的に把握する。多数の晶壁面をもつマルテンサイトが発現する熱弾性マルテンサイトと異なり、一つの方位のみが発現する超弾性マルテンサイトを利用したところに特徴がある。まず、単位体積当たりのひずみエネルギが同じ変形を与えたときの相変態および逆変態中に発生するAE挙動の体積効果について調べ、次に、平滑材と切欠き材を用いて、計測されたAEイベントの時系列解析およびAE波形解析を行うことにより、相変態の核生成と成長挙動を検討することを目的とした。得られた結果は、次の通りである。 (1) AE挙動の体積効果:体積の増加に伴いAEイベント総数は減少する傾向があり。体積効果は認められなかった。これによって、相変態により発生するAEは、変態の動的挙動に強く依存していることが明らかになった。 (2) 相変態の核生成と成長挙動:検出されたAE波形は、平滑材と切欠き材で特徴を示した。負荷開始から降伏点近傍まで、三つのステージに分けて波形の特徴分類した。負荷開始から主にマルテンサイト核生成領域をステージ1、主にマルテンサイトの成長領域をステージ2、降伏点近傍をステージ3として、検出されたAE波形を周波数解析し、その特性抽出を行った。平滑材と切欠き材のこれらの特性パラメータの変形中の変化の様子を検討した結果、第1ピークは相変態の特性を示しているため、200kHz付近に分布している。第2ピークは、平滑材では、ステージ2の後半から徐々に高周波側にシフトしているが、切欠き材では、ステージlの後半で急激に高周波側にシフトしている。これは、長手方向および板厚方向へのマルテンサイトの成長に対する拘束の大きさに影響されているものと考えられる。第2ピークの高周波側へのシフトは、相変態現象の立ち上がり時間が短時間側へ移行していることを示唆しているものと考えられる。
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