研究課題/領域番号 |
10136248
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
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研究分担者 |
中村 真一 帝京大学, 理工学部, 助手 (80217851)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | AuCd合金 / マルテンサイト変態 / 前駆現象 / 時効効果 |
研究概要 |
マルテンサイト変態の理論的取り扱いではフォノン分散関係に異常がある物質中の双晶界面は緩やかな方がエネルギーが低いという理論がある。また核生成、成長の段階でマルチバリアントに相当した物ができている方が、エネルギー的に得であるという報告もなされている。我々のアプローチはこの様な理論的背景を考慮し、マルテンサイト変態のメカニズムを探ろうとするものである。 我々はAuCd合金のうちγ_2'マルテンサイト相ができる組成の中性子散乱の結果を報告し、前駆現象としてフォノンの異常が存在し、さらに潜伏時間を示すような静的な現象も前駆的に現れている事を示した。さらにこの際の変態温度Msが通常報告されている値よりも異常に低い事に気づいた。電気抵抗の精密測定の結果、Msの低い原因は母相状態の時効の影響である事も明らかになり、母相での時効温度の依存性に関してもデータをそろえる事ができた。 また、ζ_2'相を得るAu_<50>Cd_<50>に関しては1/3反射付近の逆格子空間の二次元的な精密測定を行い、変態点の2K上で弾性散乱が観察された。この反射強度の分布は、ほぼ等方的な分布をしており、反射の位置は正確なζ【approximately equal】1/3からわずかにずれている。この反射が現われる事は、以前の積分反射強度の減少とよく対応している。この反射はMs以下に温度を下げるとマルテンサイトに対応した分裂が観察され、マルテンサイトからの反射になる。したがって前駆的に観察されたものは等温的に変態したマルテンサイトからの反射ではない。 Au_<50>Cd_<50>の結果からマルテンサイト変態に前駆的に中間的(遷移状態)な状態が生じている事は確かな事である。今後、この中間的(遷移状態)な状態がどのような構造をしているのか。どのようにマルテンサイトへと成長していくのか。などに関して研究を続けていく。また、母相での時効に関してマルテンサイト変態との関係などについても明らかにしていく。
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