研究概要 |
イットリウム,アルミニウムおよびチタンのアセチルアセトナート錯体(それぞれY(acac)_3,Al(acac)_3,TiO(acac)_2)を含有するピッチを水蒸気賦活することにより得られた粘性炭素繊維への酸性染料(Acid Red 88)及び直接染料(Direct Yellow 11)の吸着性を,活性炭素繊維の細孔サイズ(Y(acac)_3の場合メソポーラス(メソポア活性炭),Al(acac)_3,TiO(acac)_2の場合ミクロポーラス)及びζ電位の観点から検討した結果,吸着が主として活性炭の細孔サイズに依存すること,すなわちY(acac)_3含有ピッチから得られたメソポア活性炭の場合分子サイズの大きいしDirect Yellow 11の吸着性が高いことが明らかになった。さらに種々のpHでのメソポア活性炭への吸着性を検討した結果,吸着が細孔サイズに加えて活性炭のζ電位に影響されることが示唆された。 Y(acac)_3に加えて他の有機金属錯体(Co,Fe,Ni,Pd,Pt,Rhのそれそれアセチルアセトナート錯体)を含有するピッチを,テトラヒドロフランを溶媒に用いて得、さらにこのピッチを水蒸気賦活することにより活性炭を合成した結果,Y(acac)_3に基づいてメソポアが発達し,かつ貴金属等の金属種を均一に分散した活性炭が得られることが明らかになった。これらの活性炭は巨大分子に対して高い触媒活性を有することが期待できる。
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