研究課題/領域番号 |
10137239
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平田 好洋 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80145458)
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研究分担者 |
中村 祐三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40198247)
丸山 博 京セラ, 総合研究所, 部責任者
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 炭化ケイ素繊維 / ムライト / 残留応力 / ポリチタノカルボシラン / 微構造 / 力学特性 / 積層材料 |
研究概要 |
Si-Ti-C-O非晶質繊維をムライトマトリックスに入れ、窒素雰囲気中で加圧焼結すると繊維の熱分解が抑制され、その界面にグラファイト層が形成される。これにより熱的、力学的特性の差に基づく複合材の内部応力が緩和され、繊維の引き抜きが促進されると期待される。一方、同積層材にノッチを入れると非線形破壊挙動を示し、構造材料としての信頼性に優れている。しかし、繊維の体積率が増すと(1)破壊強度が低下し、(2)織物層の湾曲が生じて織物/ムライト層間の剥離が生じる。脆性材料の強度は材料内の残留応力と初期欠陥に依存する。本研究ではビッカース圧痕法を用い、上記積層材における残留応力を測定し、弾性論による評価値と比較した。この結果、層方向の残留応力成分は積層理論による評価値と一致した。一方、積層理論では予想されない、層に垂直な不均一応力分布が存在し、これは織物層の曲げによる内部応力形成のモデルにより説明できる。この方向に残存する引張り応力は繊維層に近いほど大きくなった。層に垂直な方向に残存する圧縮応力は繊維層に近付くと引張り応力に転じた。織物繊維強化積層材では、一軸配向材と比較して大きな引張り残留応力が認められた。また、この積層材の破壊確率をセラミックスの強度統計理論に基づいた信頼性評価プログラムにて計算した結果、線形破壊した積層材の焼成残留応力を考慮したFEM応力解析結果を用いれば、ワイプル統計によって整理できることが示唆された。さらに、繊維とマトリックスの熱膨張係数の接近と界面への応力緩和機構の導入をめざし、Si-Ti-C-O非晶質繊維織物/ムライト積層体に繊維前駆体のポリチタノカルボシラン溶液を含浸し、無機化合物へ熱分解させるプロセスについても検討を行った。するとこの材料は高い破壊エネルギーを有し、繊維/マトリックス界面相の生成に原料繊維表面相が影響していると考えれられた。
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