研究課題/領域番号 |
10138201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
酒井 治 東北大学, 理学研究科, 助教授 (60005957)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 量子ドット / トンネル効果 / 近藤効果 / マグネテックポーラロン / 磁性半導体 |
研究概要 |
本課題では、量子ドット系のトンネル現象における近藤効果と、磁性半導体における低濃度キャリヤー媒介による磁性について調べた。量子ドット系については、数値繰り込み群法による伝導度の計算方法を発展させてきた。本年は量子ドットに存在する軌道が単一である場合の詳細な計算、及び複数の軌道の存在する効果を調べた。これをもとに最近実験が発表された量子ドット系のトンネル効果について、解析を行った。実験結果の温度、ゲート電圧依存性は単純な磁性不純物模型による伝導度の計算と定性的に良い一致を示す。伝導度のゲート電圧依存性では、電子準位を変化させるため、近藤温度自体が非常に大きく変化する。高温のクーロン振動から、極低温の近藤効果が完全である極低温域に単純に移行するのではなく、近藤温度がゲート電圧に大きく依存しているとの視点が重要であることを示した。その他に、本年度発展させた量子モンテカルロ法計算により、伝導度にたいする磁場の効果を調べた。伝導度が近藤効果により増加している場合には、磁場印加により伝導度は強く抑制される。 マグネテックポーラロンに関するモンテカルロ法計算を開発した。低濃度キャリャーのときには、電子状態がスピン状態に応じて状態を敏感に変え得るため、磁化は低温で比較的急激に一度減少する特徴を示すことを指摘した。このことは、最近のIn_<0.88>Mn_<0.12>AS/AlSbの実験に良く対応している。
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