研究課題/領域番号 |
10138212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
金光 義彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (30185954)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | メゾスコピック構造 / 励起子 / 光学応答 / スピン物性 / 励起子交換相互作用 / 選択励起分光 |
研究概要 |
本研究では、新しい低次元構造であるシリコンメゾスコピック構造と新機能物質であるGaAs:Mnに注目し、これらの物質のスピン物性を光学的手法により明らかにすることを試みた。以下に示す実験的研究により、低温成長GaMnAsおよびシリコンメゾスコピック構造では、構造的な乱れがスピン物性も含めた光学的・電子的応答を支配している事がわかった。 シリコンメゾスコピック構造を、シランガスのプラズマCVDおよび単結晶の陽極化成により作成した。シリコンナノクリスタルの共鳴励起発光スペクトルに、結晶シリコンのTO、TAフォノンに対応した微細構造が現われる。このTOおよびTAフォノン構造に起因した発光ピークから共鳴励起発光のストークスシフトを評価した。酸化シリコンナノクリスタルのストークスシフトは、水素終端ポーラスシリコンのものより大きく、励起子交換相互作用による効果と界面準位による局在効果で説明することができた。 GaAs基板上に成長させた磁性半導体Ga_<1-x>Mn_xAs薄膜試料の発光特性の組成依存性を中心に研究を行った。これらの試科においては、1.513eVおよび1.494eV付近い発光のピークが観測された。高エネルギーの発光がバンド端、低エネルギーの発光が炭素不純物に束縛された励起子に起因すると結論した。なお、高エネルギー測の発光も2つのピークに分離できた。GaMnAsのバンド端発光は、GaAs基板比べて低エネルギー側に現れる。GaAs基板を取り除いた試料の吸収スペクトルと発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルは非常にブロードであり、乱れら系にみられるエネルギーに対して指数関数的な吸収係数を示す。その吸収端近くに非常に弱いブロードな発光が観測された。低温成長GaMnAsおよびシリコンメゾスコピック構造では、、構造的な乱れがスピン物性も含めた光学的・電子的応答を支配している事がわかった。
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