研究課題/領域番号 |
10139208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 謙多郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大規模並列システム / 並列プログラミング環境 / ハードウェア適応性 / 資源管理 / プロセッサ割当て / スケジューリング / 科学技術計算 / 分子動力学シミュレーション |
研究概要 |
大規模並列・分散システムにおいて、基盤となるハードウェア構成およびアプリケーションに柔軟に適応できる資源管理機能を備えた並列プログラミング環境を構築した。本システムは、利用者が、アプリケーションプログラムを並列処理可能な部分問題に分割し、それぞれをタスクとして定義するとともに、タスク間の依存関係もあわせて指定する。システムはこの指定をもとに、プロセッサの割当て(スケジューリング)を行う。タスクの定義は、物理的なハードウェア構成とは独立であり、また、タスク間の通信も、実行時にプロセッサ間の通信に変換される。 1.タスクを記述するための操作インタフェースおよび本研究の基盤となるタスク構造を設計・実装し、利用者が記述したタスクの依存関係をもとに基本的な負荷分散を行うシステムを実現した。本システムは、現在、大規模並列計算機日立SR2201、Sun Ultra Enterpriseで稼働している。 2.実行結果の受渡しを、スケジューリングを行うマスクプロセッサを介さずに、タスクを実行するスレーブプロセッサ間で直接行う機構、複数のタスクを連続して同一プロセッサに割り当て、実行結果を共有メモリで高速に受け渡す機構を開発した。 3.従来のCP/MISF法を分散メモリ型並列計算機に適用するため、通信コストを考慮してタスク優先順位を決定する方針を開発した。 4.タスクグラフの繰返し構造を利用し、現実のタスク実行時間の計測結果から、次の繰返しにおけるタスク実行時間を予測し、動的にスケジューリング方針を改善する機構を開発した。また、上記の拡張したCP/MISF法に適用して、その効果を調べた結果、従来のCP/MISF法に比べ、10%程度の性能向上が達成された。ただし、この実験を通して、より一層の性能向上を達成するには、負荷分散よりも通信コストの最小化が有効であるとの知見を得ており、現在、新しいスケジューリング方針の検討を行っている。
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