研究概要 |
ソフトウェアコンポーネントのインタフェース定義言語IDLを拡張し,インタフェースの意味を表わす動的挙動,コンポーネントを組み合せて実行する際のコンテキストならびにコンポーネントの電子商取引の情報を統一して記述できる言語SCL(Software specfication and Commerce Language)を提案し,その言語仕様を設計した.SCLはWebの記述言語であるHTML/XMLを拡張した言語仕様とし,Web上に表現できるようにした.特に,コンポーネントを取り巻くオブジェクトの相互作用が重要な働きをしている点に着目し,SCLの言語設計に複数のオブジェクトから成るコンポーネントの静的構造と動的挙動を表わす方法としてデザインパターンの枠組みを適用する方法を提案した.インターネット上でSCL情報の作成,収集,検索などを行うソフトウェアコマースブローカを提案し,そのプロトタイプを開発した.Web上でGUI形式のメニューからSCLを生成するSCLエディタ,エージェントを用いてインターネット上でコンポーネントのインタフェース情報を収集できる.実際に,16,000個のコンポーネント情報を収集,検索する実験を行い,SCLとソフトウェアコマースブローカの有効性を確認した.特に,コンポーネントの動的挙動は実行環境などの影響を受けることから,インターネット上でコンポーネントを遠隔試行可能なコンポーネントプレイヤの概念を提案し,Java Beansを対象とするプロトタイプを開発した.SCLとIDLや他のアーキテクチャ記述言語の仕様をインタフェース定義の記述能力の点で比較評価し,これらの言語より高い記述能力があることも確認した. また,Java Beansコンポーネントを用いたアプリケーション設計において,MVCアーキテクチャを拡張してGUIと内部論理との独立性を高めた設計方法論BeaM(Bean for MVC)を開発した.BeaMでは,GU1部品とロジックを分離し,コンポーネントとして独立して組み合せることができる.さらに,BeaMによるアプリケーション開発を支援するBeamBuilderを開発した.
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