研究概要 |
研究業績の概要 パリテー対称性が自発的に破れるある種のleft-right模型は,標準理論と異なる機構で軽い5つのに質量を与えることができ,さらにトップクオークの質量も困難なく導入できるので,標準模型を超える模型として興味深い.我々はシーソー機構に基づくleft-right模型を研究し,この模型におけるクオーク質量階層性,フレーバーチェシジングな中性カレントおよびCP非保存現象を系統的に調べた.その結果,K中間子のCPの破れ_<εK>およびΔM_Kからパリテー対称性が破れるスケールの下限を得た。このスケールが低い時(500GeV程度)には,K中間子の稀崩壊K_L→π^0ννのpionのエネルギースペクトルに標準模型と異なる特徴的なシグナルが現れることを指摘した. B中間子の稀崩壊B→X_sl^+l^-は,10^8-10^9個のB中間子を作るBファクトリーで100-1000個程度見つかることが期待され,このモードが標準理論のtreeレベルでは起きないことから,標準模型を超える理論に強い制限を与えることが期待されている。我々はB→X_sl^+l^-の模型によらない解析を行った.具体的には,このモードに寄与しうる10個のローカルな4体フェルミ相互作用を書き下し,それがこのモードに対する分岐比,レプトンの不変質量分布や,前後方非対称性にどのような影響を与えるか,特に標準模型との違いに注目して解析した.その結果,ローカルな4体フェルミ相互作用の種類によって,分岐比と前後方非対称性に与える影響が異なることがわかった.
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