高エネルギー加速器研究機構におけるBファクトリーの実験結果はユニタリティ三角形の形を決定し小林ー益川理論を検証するが、小林ー益川理論はCP対称性の破れの物理量であるユニタリティ三角形の形を予言できない。従って、クォーク質量行列の理論研究と結びつけて、フレーバーの物理の詳細な解明に役立てようとするのが本研究の目的である ここではSUSYSU(5)モデルを用いたクォーク質量行列をGUTスケールで構成し、クォーク質量と小林ー益川行列の実験値をインプットにし、さらにSUSYの繰り込み群を用いてユニタリティ三角形の形を予言することを試みた。その結果、ユニタリティ三角形の頂点は第一象限に存在することが判明した。また、このモデルではレプトンの質量行列も予測することができるので、将来ニュートリノ振動でもテストが可能となった。 さらに、クォーク質量行列の起源としてseesawモデルも検討し、Flavor Changing Neutral Currentによる一般的制限を得た。これらの研究は、論文として公刊された。
|