研究概要 |
標準模型を越える模型に関して次の研究を行った。 (a) 高次元ゲージ理論とゲージ階層性の問題 ゲージ階層性の問題を解決する候補の1つとして、高次元ヤング・ミルズ理論から出発して、Kaluza-Klein機構により、ヒグス場を得る模型を考案をした。この模型はヒグス場の質量が古典的にゼロであり、1ループ補正による2次発散も消えるという望ましい性質を持つことを示した。lループ補正は有限な質量を生成し、これは"large scaleコンパクト化"の問題と関連している (研究発表リストの1)。 (b) SU(3)xSU(3)xU(1)模型(3-3-1模型) ゲージ群SU(3)xSU(2)xU(1)のもっとも簡単な拡張としてSU(3)xSU(3)xU(1)が考えられる。3-3-1模型は、世代数とanomaly free条件との関連、自然なPeccei-Quinn対称性などの観点から面白い模型である。この模型には重いゲージ・ボゾンの他に重いフェルミオン(bileptonなど)の世代が含まれる。重い粒子の効果は輻射補正パラメターS,T,Uを用いて表される。3-3-1模型に関して、S,T,Uに対するZ-Z'混合およびoblique補正の表式を与え、精密実験との比較から重い粒子の質量に対する制限を得た(プレプリントhep-ph 9902475)。 (c) 標準模型を越える模型におけるCP非保存 Bメゾン崩壊やWWZ3点結合に現れるCP非対称性を調べた。超対称な模型のばあいにCPの破れが大きく現れ、測定にかかる可能性が有ることが分かった(研究発表リストの2,3)。
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