研究課題/領域番号 |
10141220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
服部 忠 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (50023172)
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研究分担者 |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273267)
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00215758)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 有機廃棄物再生処理 / メソポーラスシリカ / 触媒 / クラッキング / 活性サイト |
研究概要 |
本年度においては、有機廃棄物処理における高性能触媒の設計指針を得るための第一歩として、メソポーラスシリカ上でのイソヘキサンのクラッキングにおける反応機構を検討し、活性サイトの特性の解明を試みた。 すべての触媒上でクラッキングの主生成物はエチレン、プロピレン、イソブテンでグの主生成物はエチレン、プロピレン、イソブテンであったが、生成物分布にはかなりの相違が見られた。ゼオライト等の固体酸触媒上での反応ではC3/C4比が大きかった。これは、第3級炭素原子にプロトンが付加してカルボニウムイオン中間体が生成し、α切断が起きる経路が有利であることを示している。一方、無触媒ではC3/C4比が酸触媒の場合よりも小さくなった。無触媒でのクラッキングはフリーラジカル機構で進み、切断の活性化エネルギーは切断位置にあまり依存しないため、C3/C4比が1に近くなる。本研究のターゲットであるメソポーラスシリカ触媒上では、無触媒の場合と類似し、低いC3/C4比を与えた。このことから、メソポーラスシリカは酸触媒とは異なり、ラジカル的にクラッキングを進行させる触媒機能を持つことが明らかになった メソポーラスシリカ上でのアレニウスプロットは2本の直線から成り、特に低温部で活性化エネルギーが非常に小さい点が特徴的であったが、この低温部での触媒活性こそがメソポーラスシリカに特徴的な新規活性サイトによるものと考えられる。この新規活性サイトの発現機構および高活性化の可能性を調べるために、Alを含まないメソポーラスシリカを合成し、イソヘキサンのクラッキング活性を調べた。その結果、アレニウスプロットは1本の直線となり、低温部での特徴的な活性は見られなかった。このことより、メソポーラスシリカに特徴的な低温部での活性は不純物としてのAlに由来するものであると考えられる。
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