研究課題/領域番号 |
10142201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
神戸 士郎 山形大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20211188)
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研究分担者 |
石井 修 山形大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80282234)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 結晶方位 / 水素結合 / トポタキシー / CaO / Ca(OH)_2 / パルスレーザーアブレーション法 / 水素結合エピタキシー |
研究概要 |
酸化物超伝導体などの電子デバイス応用向けの薄膜作製には、結晶方位のコントロールが重要である。一般にこれらは、デポジション時の基板温度、酸素分圧の調整などによって行われていた。本研究はこれを一歩進め、水素結合を使って積極的に配向性制御を行おうとする試みである。[001]配向したCa(OH)_2薄膜を形成し、脱水時のトポタキシー機構を使って[111]配向のCaO薄膜を作製する。こうして特定の方位に配向させた薄膜は、酸化物超伝導体の傾斜機能バッファ層,ブロック層などへの応用が考えられる。ところで、これまでのスプレー法を使った研究では、問題があった^1。それは、完全な[111]配向CaO薄膜ができなかったことである。本研究の目的は、パルスレーザーアブレーション法を用いて、完全に[111]配向したCaO薄膜を作製することである。 [001]配向Ca(OH)_2薄膜を作るため、パルスレーザーデポジション(PLD)法を使用した。[001]配向Ca(OH)_2薄膜から[111]配向CaO薄膜を作るため加熱脱水を行ったが、その最適条件は800℃^*2h(空気中)であった。 実験の結果、完全に[001]配向Ca(OH)_2薄膜が作製され、それの加熱脱水により完全に[111]配向したCaO薄膜が作製された。[111]配向したCaO薄膜ができたのは、加熱脱水時にトポタキシー機構が働いたからであり、CaOターゲットを利用したPLD法では作製の困難な配向を持つ薄膜である。 今後の課題は面内配向の制御であるが、これは格子整合の良い基板を使用することにより可能になると考えている。 PLD法を用いることにより、MgO基板上に完全に[001]配向したCa(OH)_2薄膜を作製した。これを加熱脱水することによりトポタキシー機構が働き、完全に[111]配向したCaO薄膜が作製できた。このCaO薄膜は、酸化物超伝導体の傾斜機能バッファや酸化物超伝導体のブロック層としての利用が期待される。
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