研究課題/領域番号 |
10142207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大山 忠司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40029715)
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研究分担者 |
小堀 裕己 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90202069)
藤井 研一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10189988)
中田 博保 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60116069)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / ネルンスト効果 / 磁気プラズマ吸収 / ファラデー回転 / サイクロトロン運動 / 炭酸ガスレーザー |
研究概要 |
今年度この研究目的に沿って半導体で行った研究の概要とその研究方法の高温超伝導体への適用結果について報告する。 1.赤外線照射によるネルンスト効果 試料の一部を光で励起し、その光を吸収して局所的に非平衡になった電子系が磁場の印加の下で平衡に達する流れを生じる際に起電力が発生する現象をネルンスト効果という。例として、InSbの試料の表面をバンドギャップより大きなエネルギーを有する光と遠赤外レーザー光の両方で照射した結果を示す。先ず、遠赤外レーザーを照射しない場合、表面で励起された電子と正孔は拡散によって試料の内部に流入する。磁場の印加によって電子と正孔は試料の別々の端に集積され、それによって起電力が発生する。磁場を強くすると発生する電圧はローレンツカの増大によって大きくなる。更に、遠赤外レーザーを照射すると表面の電子は特定の共鳴磁場のところでサイクロトロン共鳴によってエネルギーを獲得し、そのエネルギーを試料内部に運搬する。そのエネルギーの流れがまた起電力を発生する。後者を共鳴光電磁効果(Resonance-Photo-Elcctro-Magnetic effect)と称する。試料が超伝導体の場合には励起光として炭酸ガスレーザーを用いた。 2.マイクロ波を用いたプラズマ励起とフアラデー回転 直交して配置したマイクロ波導波管の間に試料を挟む。導波管内を伝播するマイクロ波電場の振動方向は限定されているので、境界部に試料が無い場合マイクロ波は直交してはいちされた導波管を透過することはできない。境界に試料を挟み、磁場を印加すると試料内部の電子プラズマと磁場によるサイクロトロン運動の結合モードとマイクロ波との相互使用によって電場の振動方向が変化し、直交した導波管の間でもある程度透過するようになる。これはいわゆる磁気ブラズマによって誘導されるフアラデー回転である。 このマイクロ波の振動方向の回転角によって電子プラズマの特徴を探ることができる。半導体ではGaAsの2次元電子系を、高温超伝導体ではLaSrCuO系を研究した。いずれの場合も高温超伝導体に関する信号は微小で系統的な解析には到らなかった。次年度以降、S/Nの改善を目指す。
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